SURVIVAL SKILLS / 草原のサバイバル術
自動売買はなぜ止まる?有効比率100%以下で未約定の注文まで消える|2026年8月版
この記事は情報提供を目的とした解説であり、特定の金融商品の購入や特定の取引手法を勧誘するものではありません。FXは為替変動とレバレッジにより、預けた証拠金を超える損失が生じるおそれがあります。ロスカットの水準・判定間隔・証拠金率は変更されることがあり、本文の数値は2026年8月時点で公式ページに掲載されていたものです。取引の前に必ず各社の最新のルールをご確認のうえ、ご自身の責任で判断してください。
※本記事には広告(PR)を含みます。
結論から言うと、自動売買が動き続ける条件は「口座に余力があること」の一点です。トライオートFXの公式ルールには、有効比率が100%以下になると全ての建玉をロスカットするだけでなく、全ての未約定の注文を取消し、さらに全ての自動売買注文の稼働が停止しますと書かれています。設定した仕掛けが残っていても、余力が尽きればその仕掛けごと消えます。草原の旅にたとえるなら、荷を運ぶ隊は自分では止まりませんが、水袋が空になった時点で先へは進めません。この記事では、その水袋にあたる数字である有効比率を、公式の記載だけで追いかけます。
自動売買が止まるのは、どんなときですか?
有効比率が100%以下になったときです。公式の注意事項に置かれているのは、次の二文です。
※ロスカット判定で有効比率が100%以下となった場合には、全ての未約定の注文を取消し、全ての建玉をロスカットします。
※ロスカット対象となると全ての自動売買注文の稼働が停止します。
二文の間にあるのは、はっきりとした段差です。一文目は、いま抱えている建玉と、まだ約定していない注文の話です。二文目は、その先にある稼働そのものの話です。ロスカットは今日の損失を確定させて終わりではなく、明日以降その口座が仕掛け続ける予定だった注文まで、まとめて止めます。
自動売買を「放っておける仕組み」と考えていると、この二文目が視界から外れます。仕掛けは自分で走り続けますが、走り続けられる範囲は口座の余力が決めています。動力ではなく、燃料の問題です。
有効比率とは、何を何で割った数字ですか?
公式の定義はごく短い一行です。
有効比率・・・有効証拠金額÷必要証拠金額×100(%)
分子が、いま口座にある実質的な資金。分母が、いま建てている建玉を維持するために要る資金。この割り算の答えが100を割った瞬間が、境目です。100%とは、余力がちょうど必要額と同じになった状態を指します。
分母のほうも公式に定義があります。個人の場合、必要証拠金は各通貨ペアの時価評価額の4%以上とされています。法人の場合は時価評価額に為替リスク想定比率を乗じた金額です。また両建て時の必要証拠金はMAX方式となり、同一通貨ペアの売建玉と買建玉の必要証拠金を比較して、金額の大きい方が必要証拠金になると書かれています。
ここで気をつけたいのは、分母が固定ではないことです。為替が動けば時価評価額が動き、時価評価額が動けば必要証拠金も動きます。分子だけを見て「まだ余裕がある」と思っていても、分母が膨らめば比率は下がります。個人の必要証拠金が通貨ペアを問わず時価評価額の4%以上と定められている仕組みそのものは、レバレッジ25倍は全通貨で同じ?個人4%固定と法人の週次見直しに書きました。
数字にすると、100%はどこにありますか
公式の二つの定義を、自分の数量に当てはめると位置が見えます。仮に1ドル150円のときに1万通貨のポジションを持つとします。時価評価額は150万円。個人の必要証拠金は時価評価額の4%以上なので、下限は6万円です。これが割り算の分母になります。
あとは分子を並べるだけです。有効証拠金額が18万円なら、18万円÷6万円×100で有効比率は300%。12万円なら200%で、ここが判定間隔の切り替わる位置にあたります。9万円なら150%、7万2千円なら120%、そして6万円ちょうどで100%。分子が分母に追いついた地点が境目という、それだけの構造です。
この並びを一度作っておくと、警告の数字が抽象的な比率ではなく金額として見えるようになります。ただし分母は固定ではありません。レートが150円から160円へ動けば時価評価額は160万円になり、必要証拠金の下限は6万4千円へ上がります。
分子のほうも、入れた金額のまま止まってはいません。公式は有効証拠金を「為替差損益金、評価損益相当額、スワップポイントを含む」ものとして説明しています。つまり評価損益は、そのまま分子に乗ります。入金額だけを見て比率を推し量ることはできません。分子を減らす損失と、分母を膨らませるレートの動きは、別々に効いてきます。
100%に近づくと、どんな順で知らせが来ますか?
段階は三つあり、公式に数字が明示されています。あわせて、判定そのものの間隔も公表済みです。二つを並べます。
| 有効比率 | 公式に書かれている扱い |
|---|---|
| 150%以下 | 登録のメールアドレスへ、最初の警告として「プレアラートメール」が送られる |
| 120%以下 | 登録のメールアドレスへ、次の警告として「アラートメール」が送られる |
| 100%以下 | 意思にかかわらず、すべての建玉を反対売買により自動決済(ロスカット)。自動決済後、ただちにロスカット通知メールを送信 |
| 有効比率 | 判定間隔 |
|---|---|
| 200%超 | 約5分 |
| 200%以下 | 約1分 |
200%を境に、見張りの目つきが変わります。余力が厚いうちは約5分に一度、200%以下に入ると約1分に一度。危ないほど頻繁に測られる設計です。
知らせが届かないことは、ありますか?
あります。ここは公式が明確に書いている打ち消しなので、そのまま引きます。
※有効比率が150%超から100%以下に急変した場合、プレアラート・アラートメールは送信されません。また、お客様のメール受信設定によってはプレアラート・アラートメールが届かない場合があります。
150%、120%、100%という三段の階段は、階段を一段ずつ降りたときの話です。150%超から一気に100%以下へ落ちれば、二段ぶんの警告は飛ばされます。メールが来ないことは、まだ余裕がある証拠になりません。
判定の間隔についても、同じ場所に但し書きがあります。
※ロスカット判定は、一定時間毎に行われます。そのため急激な相場変動時には、定められた有効比率を大きく割り込んでプレアラート・アラートメールが送信されたり、ロスカットされる場合があります。また、証拠金預託額以上の損失が発生する場合もありますのでご注意ください。
約1分の間隔でも、その1分の間に相場は動きます。100%ちょうどで止まる保証はなく、大きく割り込んだ位置で執行されることがある。そして、預けた額を超える損失が出る場合もあると明記されています。
止まったあと、出していた注文はどうなりますか?
取り消されます。冒頭に引いた「全ての未約定の注文を取消し」がそれにあたります。自動売買では、まだ約定していない注文が待機している状態が常態です。相場が戻ったときに拾うはずだった注文も、その待機列ごと消えます。
もう一つ押さえておきたいのが、日をまたぐ場合の扱いです。
※取引終了直前等、同一営業日内に全ての建玉のロスカットが執行されなかった場合は、翌営業日、価格提示再開後に再度有効比率の確認を行い、有効比率が100%以下の場合ロスカットします。
執行が間に合わなかった建玉は、翌営業日に持ち越されて再度測られます。今日を持ちこたえたことは、明日の判定を免れることを意味しません。相場が動くのは日本の営業時間だけではないので、判定が再開される時点で比率がどこにあるかは、前日の終わりの数字とは別物になっていることがあります。
待機列の規模についても上限が公表されています。有効注文件数は上限2,500件。この上限は、注文手法を区別しない通貨ペアごとの合計です。そしてその数字にも、但し書きが付いているのです。
※上限数は変更する場合があります。またお客様への告知が変更日の直前となる場合があります。
告知が変更日の直前になる場合がある、と会社側が先に書いている。つまりこの2,500件という数字は、こちらの都合とは無関係に動きうる前提の数字です。仕掛けの本数を上限ぎりぎりまで積む設計にしていると、上限が変わったときに調整の手間が一度に来ます。
そして仕掛けを増やすほど、待機列が伸びるだけでなく、約定した分の必要証拠金も積み上がります。列の長さと水袋の大きさは、別々に管理する数字ではありません。同じ一つの比率の、分母と分子として結びついています。
水を絶やさないために、先に何を決めておきますか?
止まる条件が公表されている以上、備え方も逆算できます。ここでは数字の目安を私から示すことはしません。示せるのは、自分の口座で計算しておくべき項目です。
- いまの有効比率を実際に割り算してみる:有効証拠金額と必要証拠金額を取引画面で確認し、公式の式に当てはめる。
- 200%を割っているかを見る:割っていれば判定間隔は約1分に切り替わっている。余力の厚みの目安として使う。
- 必要証拠金が増える場面を想定する:時価評価額の4%以上という定義から、レートが動いたときに分母がどう変わるかを自分の数量で確かめる。
- メールに頼らない前提を作る:急変時には送信されないと明記されている以上、通知を最後の防波堤にしない。
- 稼働本数と余力を一緒に決める:仕掛けの本数を増やす判断は、必要証拠金がどれだけ積み上がるかとセットで行う。
損切りをどこに置くかという判断そのものについては損切りは遊牧民の撤退戦:生き残るための「勇気ある撤退」ルールで、資金管理の考え方は羊の群れを守る掟:FXにおける資金管理とレバレッジの真実で扱っています。
よくある質問(FAQ)
- Q. 有効比率とは何ですか?
- トライオートFXの公式ルールでは、有効比率は有効証拠金額÷必要証拠金額×100(%)と定義されています。個人の必要証拠金は各通貨ペアの時価評価額の4%以上とされているため、有効比率は預けている資金が必要額の何倍にあたるかを示す数字になります。
- Q. 有効比率が100%以下になると何が起きますか?
- 公式の注意事項には、ロスカット判定で有効比率が100%以下となった場合には、全ての未約定の注文を取消し、全ての建玉をロスカットしますと記載されています。さらに、ロスカット対象となると全ての自動売買注文の稼働が停止しますと明記されています。建玉だけでなく、まだ約定していない注文と自動売買の稼働そのものが対象になります。
- Q. ロスカットの前に必ず警告メールが届きますか?
- 届かない場合があります。公式には、有効比率が150%超から100%以下に急変した場合、プレアラート・アラートメールは送信されませんと記載されています。また、メール受信設定によっては届かない場合があるとも書かれています。
- Q. ロスカット判定はどのくらいの間隔で行われますか?
- 公式の表では、有効比率が200%超のときは約5分、200%以下のときは約1分と記載されています。判定は一定時間毎に行われるため、急激な相場変動時には定められた有効比率を大きく割り込んでロスカットされる場合があり、証拠金預託額以上の損失が発生する場合もあると注意されています。
- インヴァスト証券 トライオートFX「取引ルール」(2026年8月28日確認):https://www.invast.jp/triauto/rules/
- インヴァスト証券 トライオートFX 公式トップ(2026年8月28日確認):https://www.invast.jp/triauto/
- 金融先物取引業協会「学ぼう!FX」:https://www.ffaj.or.jp/learning/